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目次
 盆踊り

以下
 祭り
 ほたる
 餅つき
 お正月
 節分
 長命寺参り
ふるさと滋賀県は、日本一大きい湖である琵琶湖を真ん中に、周囲を山々に囲まれた風光明媚なところ。高校3年間、通学の行き帰りに、車窓から眺める琵琶湖は、大層美しかった。朝もやにかすむ対岸の山々は、まるで墨絵のよう、落日に映える湖面、暮れなずむ山々は、心に沁みて荘厳であった。

言葉も京都に近いせいか柔らかく美しかった。
「おいでやす」「おこしやす」「おきばりやす」「さむうおすなあ」「おおきに」「はばかりさん」「おくれやす」「かんにん」「ほんまに」「あかんなあ」・・・思いだすときりがない。
ふるさとは遠く、年と共に霞んで行く中で、切り取ったように、不思議と鮮明に記憶している幾コマかがある。「盆踊り」「お祭り」「ほたる」「餅つき」「お正月」「節分」等である。これらを思い起す度に、現在の自分の原点がここに有ることを思い知らされる。

鮮明に覚えていることの1つに、「長命寺参り」がある。これは夜、田舟で川を遡り、水門をくぐって琵琶湖に出て、対岸の長命寺の明りを頼りに、一晩かかって湖を漕ぎ渡るという豪壮な行事であった。琵琶湖は広く海の潮流のような流れがある。ひとたび雨になれば目標を失う。強風吹いて転覆すれば、全員湖の藻屑となる!この危険を承知の上で家族だけでなく、近所の人も乗せ櫓をこいだ近江男の恐るべき胆力!

今は湖岸道路も発達し舟でお参りをする人もなく、思い出を語り合える人も滅多になく、語り合う機会があっても、お互いに記憶はあやふやである。
この行事を思い出す度に半世紀の世の移り行きをしみじみ思うのである。

思い出を書き留めることで、自分や時代を見つめなおすよすがとしたい。


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